実行委員こぼれ話 -キッズエリア編-


私が実行委員に応募した時、「西荻」という街にも、「音楽」にもさほど興味がなかった。
飲みに行くなら阿佐ヶ谷だろって正直思っていたし、音楽と言えば、「E.YAZAWAしか居ない」と幼少時から母親に洗脳され続けてきた。

「んじゃ、何故実行委員にいるのか。お前は」と、そうなる。

実行委員になった理由は、子育てにある。
2年前息子が生まれ、これから縁もゆかりもないこの東京で子育てをしなければならない。親である私がこの地域と積極的に関わらなければ、本来、色々な大人たちの価値観に触れるべき重要な幼少期を、息子は“私たち夫婦だけ”の価値観しか知らないで育ってしまう。そんな危機感があった。

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私自身、強烈な個性を持つ親の価値観に加え、それを中和する常識人の祖父母、近くに住む「魚屋」を営む商人の3代目、呑んだくれの隣に住むおばちゃん、いつも家族を気にかけてくれる消防団の団長、嫌味ばっかり言ってくる床屋の倅。実は母親を狙っている焼肉屋のマスター。
小さいながらに色々感じ、自分が正しいと思ったことに耳を傾けて行動してきた。つまり私は地域に育てられたのだと思っている。その子育てに恵まれた環境は、その土地で生まれ育ってきた父母だから出来たのであって、生まれも育ちも東京でない私たちは、息子にどんな環境を用意出来るのだろうかと考えるようになった。

子供が生まれた日、病院から一人寂しく帰る途中、極度のおセンチ状態にあった私は、地域のお祭りを傍に見ながら“こんなに沢山の人がいるのに、ここには、子供が生まれた事すら、伝えるべき友人や知り合いが一人もいないのか”と孤独を感じ、急に息子を不憫に感じてしまったのを覚えている。
そして、この問題を打開する為、地域と関わりの強いお祭り等の「年行事」が多い地域、尚且つ、治安が良いエリアに引っ越すことに決めた。これが“西荻ラバーズフェス”との出会いだった。

「西荻ラバーズフェス」

このフェスは単なる音楽フェスではない。単なるグルメフェスでない。街の全部が詰め込まれ、この街を愛する人が集い、出会い、語らい。
世代や立場を超えた人との交流もフェスの大きな想いの一つだ。この想いを実現することは、息子にとって良い環境に成り得ると感じ、キッズエリアの担当として参加することになった。

フェスには、子供達が楽しめるキッズエリアがある。
昨年人気だった綿あめや風船ヨーヨー、スタンプラリーなどのメニューは継続し、課題になった5〜8歳位が楽しめるメニューを増やし、駒遊びや花札など、昔遊びのコーナーや親子で楽しめるワークショップを用意する予定だ。
子供やお父さん、お母さんも楽しめなければ“西荻ラバーズフェス”ではないと思っている。

最後に、こんな子供の歌を知っていますか?
「大きくなったら何になる〜、大きくなったら何になる〜」
2歳になった息子は、この最初のフレーズしか歌えないのだが、大きくなったら何になるの?と聞くと、ちょっと前はお医者さんと答えた。今は色んな職業をいう。

カメラマン、
靴屋さん、
ご飯屋さん、
建築家、
太鼓とヴァイオリニスト、
絵描き、
スナフキン。

どれも西荻の大人達と出会った影響だと思われる。
という訳で、ひとまず“子育ての環境作り”はうまく行っているのではないか。そう思っている。

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西荻であいましょう。